常に1,000人を超える労働者のいる事業場や、有害業務に常時500人以上の労働者が従事している事業場は専属産業医(常勤産業医)を選任しなければいけません。専属産業医(常勤産業医)は労働者が安心して働けるようにサポートしてくれるので、企業にとって必要な存在です。専属産業医(常勤産業医)の勤務内容や専属産業医(常勤産業医)を雇用できなかった場合について紹介しています。
産業医は事業場において労働者が健康で快適な仕事が行なえるように、専門的立場から指導・アドバイスをする医師のことです。
専属産業医(常勤産業医)は企業と雇用契約を結び、社員の一員として位置づけることが少なくありません。基本的にほかの社員同様に週5日勤務となっていますが、ほとんどの専属産業医(常勤産業医)は研究日を設ける週3.5~4日勤務というケースが多くなっているようです。
報酬が高く設定されているので、専属とはいえ一週間に実施する業務量がないときは出勤数を減らすことで人件費を削減できます。
専属産業医(常勤産業医)は、労働者が受けた健康診断の結果に目を通して通常業務ができるか、休業が必要なのかを判断します。その後、就業制限者や業務不能者に対して意見書を作成します。
有害な職場環境によって引き起こされる健康障害リスクがないか評価します。その評価をもとに、リスクの排除や適切な制御を行い、労働者の健康を保持します。
労働者の作業には高気圧作業をはじめ、振動工具取扱い作業やVDT作業、重量物取扱い作業などが考えられます。これらの1日の作業時間や作業姿勢、作業方法などの点検や日常管理に関する助言・指導を行うのも専属産業医(常勤産業医)の業務です。
労働者の特性に応じた健康管理を考えます。特性とは、高年齢労働者・女性労働者・派遣労働者・障害者・海外派遣労働者・外国人労働者などです。
生活習慣病予防・職場におけるメンタルヘルス、自殺予防・エイズ・ウイルス肝炎・食中毒予防などの教育に関する職務を実施。健康に関する相談も対応します。
事業場において必要とされる労働衛生教育の助言や指導を行います。労働災害防止団体が開催する労働衛生教育講習会の情報収集や情報提供、受講をすすめることもあります。
発生した健康障害の原因を調べて、再発防止対策や改善の助言・指導を行います。
労働者の健康を確保する際に必要な場合は、事業者に対して労働者の健康管理について勧告を実施。さらに、労働者の健康障害の防止についても必要があれば、総括安全衛生管理者への勧告や衛生管理者に指導と助言を行います。
専属産業医(常勤産業医)は専属の事業場にのみ勤務するもので、他の事業場で産業医を兼務してはいけないとされています。一方、普通の産業医は複数の事業場を兼務していることがほとんど。事業場が限られているかそうでないかで、専属産業医(常勤産業医)と普通の産業医には違いが見られます。
平成27年に日本医師会が行ったアンケート調査によると、全回答者 4,153人のうち専属産業医(常勤産業医)は131人でした。日本には専属産業医(常勤産業医)を雇えるほどの大企業が多くないという理由もありますが、このアンケートの中だけで見ると全体の3%ほどしかいないことが分かります。
また、同アンケートで兼務産業医として産業医活動を行っている580人の課題に着目したところ、「他の業務が多忙で、産業医活動に時間を割けない」という回答が最も多くありました。この点を踏まえると、兼務産業医よりも専属産業医(常勤産業医)のほうが、業務場が絞られる点で産業医活動に取り組みやすいと言えるかもしれません。
労働者が1,000人以上を超える事業場では、専属産業医(常勤産業医)を選任しなければいけないと法律で定められています。しかし、専属産業医(常勤産業医)として勤務を希望する医師は少なく、採用するのが非常に難しくなっているのが現状です。専属産業医(常勤産業医)を選任していない場合は指導が入り、それでも改善ができていないと50万円以下の罰金が課せられます。
専属産業医(常勤産業医)の不在によって過重労働やメンタルヘルスによる労働災害が発生すると、企業側は安全配慮義務違反を厳しく追及されるおそれも。ケースによって、賠償責任が問われる場合があります。
もうひとつのリスクとして考えられるのが、企業に対する否定的な評価が広がることです。労働災害が発生すると、名指しで「ブラック企業」と非難される場合があります。そうなると採用力の低下にもつながるため、労働災害を起こさないように専属産業医(常勤産業医)は必要不可欠といえます。
専属産業医(常勤産業医)は探すのが大変ですが、最近では産業医を専門に紹介してもらえる会社もあります。上手く活用して、企業に適した専属産業医(常勤産業医)を選任しましょう。
複数の事業場で業務を行えないとなると、専属産業医(常勤産業医)は法律上、兼職するのは許されないのでしょうか?調べてみると、平成9年の通達には元請けの事業場に所属している専属産業医(常勤産業医)の業務の範囲がどこまで認められるかが記されています。
通達によれば、下請けの事業場の産業保健活動に関して、元請けの専属産業医(常勤産業医)が指導したほうが効果的かつ効率的な可能性があるため、それについては認めるというものです。あくまでも地理的に密接していて、元請けと下請けの業態が似ている場合に限られます。また、対象となる労働者が3,000人を超えない、通常の業務に支障をきたさない程度にという要件もあります。
さらに、平成9年の通達では地理的に密接という表現が曖昧であったため、行政解釈を行ったのが平成25年の通達です。この通達により事業場間の地理的関係は、1時間以内に移動できる場合を指します。
まとめると、専属産業医(常勤産業医)の兼職は勤務している事業場と非専属の事業場を1時間以内で移動できれば、兼務しても問題はないのです。
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