企業の健康や安全の管理を担っている産業医や産業保健師。産業医は事業所で勤務する健康と安全を管理する医師です。対して産業保健師は健康の相談窓口としての役割を持っており、従業員により身近な存在として心身面の問題の早期発見を行えます。
この記事では、産業医と産業保健師の違いについてご紹介します。
引用元:「厚生労働省:標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会第3回資料」より
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/11/s1109-5i.html
保健師とは、人々の病気や怪我の予防を目的とした保健指導を行う人のことをいいます。看護師・助産師と同じ看護職として分類されており、保健師として働くためには「保健師国家試験」と「看護師国家試験」の両方に合格することが必要です。
保健師の働き方にはいくつかの種類がありますので、ここでは「行政保健師」「学校保健師」「産業保健師」の3つについて解説します。
保健所や地域の保健センターなど、行政関係の施設に務める保健師を「行政保健師」と呼びます。公務員として、市民の健康管理や医療相談の受付などといった業務のほかにも、同じ地域で働いている公務員の健康管理やアドバイスなども行います。
学校保健師は、その名の通り学校に勤める保健師のことです。専門学校や大学、一部私立中学校・高校などで怪我などの応急処置を行うほか、生徒や教員たちの健康管理にも携わっています。
企業で社員の健康管理やアドバイスを行うのが産業保健師です。労働者の健康管理に携わり、病気になることを防ぐために大きな役割を果たしています。
企業で働く労働者の健康や安全の管理に大きな役割を果たしている産業医と産業保健師ですが、この2つは何が違うのでしょうか。まず違いのひとつとして、それぞれに必要な「資格」という点が挙げられます。さらに、仕事内容や勤務形態、必要性といった面から、どのような違いがあるのかを見ていきましょう。
まずはじめに、産業医とはどのようなものなのかご紹介します。
産業医として仕事をするためには、医師免許が必要です。さらに、厚生労働省令で特定の要件を満たしたことを示す「産業医認定証」を所有する必要があります。
産業医は、職場の巡視や健康診断チェックなどのほか、労働者からの健康相談を受けたりストレスチェックの実施を行います。また、労働者との面談も産業医の重要な仕事。特に強いストレスを受けている労働者との面談や、休職者・復職者との面談も行い、医学の専門知識を持った立場から健康指導やアドバイスを実施します。
「常勤産業医」と「非常勤産業医」の2種類に分かれており、勤務体制が異なります。
常勤産業医の場合は、企業内でおよそ週3日〜5日で勤務、また非常勤産業医は月に1回〜数回、定められた日に職場へ訪問します。
産業医は、「50人以上の労働者がいる事業所」には設置義務があります。そのため、この条件に当てはまる企業の場合は必ず産業医を選定します。
ちなみに、「1,000名以上の労働者が勤務する事業所」「有害業務に常時500人が携わる事業所」には1名以上の常勤産業医の設置が必要、また「3,000人以上の労働者が勤務する事業所」には2名以上の常勤産業医の設置が必要と定められています。
続いて産業保健師について見ていきましょう。産業保健師として勤務するためには、保健師と看護師両方の資格が必要です。
保健師として産業医や衛生管理者、人事担当者とチームを組んで、労働者が病気や怪我を予防するための指導や従業員が抱えている心身両面に関する不安・悩みについて窓口となり、面談を行います。
産業保健師に求められる役割は、病気になる前段階で予兆を察知し、疾病の発生予防するということ。健康診断結果のデータ整理や分析、職場の過重労働対策、メンタルヘルス対策などを行います。また、職場視察への同行や安全衛生委員会への出席も行います。
産業保健師の業務は産業医と重なる部分も多くあります。そのため、産業保健師を設置することで産業医だけでは対応しきれない部分をカバーすることができます。
産業保健師は、企業内で勤務をすることになります。そのため、企業内に設置されている保健室や医務室などに勤務します。
産業保健師の設置は法律では義務付けられていません。そのため、必ずしも産業保健師を設置しなければいけないというわけではなく、産業保健師を設置している企業はまだ少ないのが現状といわれています。
設置は義務付けられていないものの、産業保健師は産業医や人事担当者などとタッグを組んで労働者の健康に関する取り組みを行える存在です。そのため、産業医だけで補えない部分をフォローし、より産業保健体制を強固なものにするためにも、産業保健師の雇用を考えてことをおすすめします。
また、従業員にとってより良い職場環境を実現するためにも、優秀な産業医・産業保健師を選定したいものです。その場合には、双方を探セル「産業医紹介サービス会社」の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
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