建築・建設業

このページでは、特に建築・建設業において求められている産業医の特徴や、適切な産業医を選定するポイントなどについて解説していますので、ぜひ産業医を選ぶ際の参考にしてください。

建築・建設業において求められる産業医とは

建築・建設業といった職種では、作業時に肉体的な負担が生じやすく、工期厳守や事故リスクといった条件もあって精神的ストレスも増大しやすい点が問題です。また、日常的に騒音を感じたり粉塵を吸い込んだりしやすく、将来的な病気のリスクや不安といった要因もストレスにつながりかねません。また現場ごとの特性によってその他にも様々なストレスが作業員へかかってしまう危険性があります。

そのため、建築・建設業では単に医学的知見を有しているだけでなく、日本衛生学会に所属しており、建設業界や建築現場に特有の問題点などをきちんと把握している産業医が適していると考えられます。

建築・建設業で起きやすいトラブルやストレス要因

工期厳守を目指すための長時間労働や休日出勤など

建築・建設業ではあらかじめ工期が決められており、原則として工期に間に合うよう作業を行わなければなりません。しかし天候の影響などにより作業を中断しなければならないこともあり、遅れを取り戻すため長時間労働や休日出勤などが強いられることもあります。

熱中症や作業現場の特性に伴う健康被害

炎天下で作業する場合、熱中症などのリスクが増大します。また、作業で発生する騒音や粉塵、作業に使う有機溶剤の影響で様々な健康被害が発生してしまうかもしれません。

その他、ちょっとした油断やミスによって転落事故や衝突事故、四肢切断など深刻な事故が発生することもあるでしょう。

離職者の増加と作業の偏り

肉体的にも精神的にもストレスの多い職場では離職者が生じることもあり、さらに人手不足によって残った作業員の負担が増大してしまう恐れもあります。

また、作業負担の偏りや作業量の増大によって、離職の連鎖が生じてしまうかもしれません。

セクハラやパワハラといったハラスメントの発生

肉体的な負担も大きくなりやすい建築業界や建設現場では、「男性の職場」といったイメージを持っている人も少なくなく、女性の従業員に対して悪意の有無を問わずセクハラが発生してしまうリスクがあります。

また、現場のストレスによって上司から部下、また元請け業者から下請け業者へのパワハラが発生してしまうこともあるでしょう。

ハラスメントは当事者のメンタルヘルスを害するだけでなく、現場の空気を悪化させて全体のリスクにつながることもあります。